2020年7月17日
現状、日本において精神疾患を有する患者は約400万人程度いるとされております。入院患者は減少傾向にあるようですが、国際的に比較すれば、病床数は多く在院日数は長いといった状況にあるようです。
平成16年に「入院医療中心から地域生活中心へ」との理念が示され色々な施策が講じられており、精神疾患患者が在宅復帰される方が増えてくるとも言い換える事が出来ると思います。
今回は、精神科訪問看護/リハビリテーションについて取り上げさせて頂きます。

精神科訪問看護とは?

精神疾患を有する患者様に対し、ご自宅へ看護師や作業療法士等が訪問し、疾患に関する助言やリハビリテーションを行い、住み慣れたご自宅で生活されるにあたって支援を実施する事をいいます。精神科訪問看護指示書が必要(医療保険適用)となり、自立支援医療(精神通院医療)受給者証をお持ちの方は医療保険と併用して頂く事で、費用が抑えられるケースが多いです。

対象疾患は?

・統合失調症 ・双極性障害 ・不安障害
・うつ  ・アルコール依存症  ・薬物依存 など
処方されているお薬を確実に飲んで頂けるよう(薬物療法)支援致します。

精神科のリハビリテーションとは?

自立して社会参加していけるように支えていくことを指します。精神疾患では、症状によって起こる社会生活の難しさを、どのように克服していくかが重要になります。リハビリテーションというと、身体を治す、筋力をつけるなどの能力の向上を目的に考えがちですが、精神疾患の方は日常生活全般で「生きづらさ」を抱えている為、日々の生活に即したところから始めます。そうして最終的には患者さんの「生活の質」を回復し、病気でもその人なりの「人生の質」を回復することが、リハビリテーションの目標です。

国際的な研究を纏めた報告では、統合失調症の患者の再入院率について、
「薬物療法とリハビリテーションの併用」を行ったグループ・・・8%
「薬物療法と支持的な精神療法」を行ったグループ・・・20%
「薬物療法のみ」を行ったグループ・・・30%
といった研究結果があり、これらでもわかるように、薬物療法だけでなくリハビリテーションを組み合わせた治療の方がより効果的となります。

当ステーションでは、作業療法士2名が精神科でのリハビリテーション対応可能となり、看護師や作業療法士の両職種によって患者様を支援させて頂きますので、何なりとご相談下さい。